◆東日本大震災の鉄道被害について(その5)(宮城県)◆

◆2013年9月14日(土)撮影
 前回(9月7日)のJR気仙沼線に引き続き、今回は石巻線および仙石線各駅お遍路を目的として、盛岡市から高速道路経由で、前回でたどり着いた石巻線のの岳駅から出発し、起点の前谷地駅に至り、その後石巻線を辿って宮城県石巻市を経由して石巻線の終点の宮城県女川町を訪れ、その後、石巻市に戻って仙石線を各駅訪れて目的地の手樽駅まで到達し、その後は高速道路で盛岡市まで戻るというなかなか内容盛りだくさんとなりました。
 震災からだいたい2年半が経ちましたが、復興はまだまだこれからのようです。
石巻駅
津波による旧北上川氾濫のため駅及び駅周辺一時水没。

駅舎

旧北上川の河口に近い中州にある石ノ森萬画館。東日本大震災の津波による川の増水で被害を受けました。

この仙石線ホームの車止めやいろんな所に東日本大震災の時の津波が到達した高さの表示がありました。

仙石線のホームの写真。浸水時にはホームの線路が水浸しになりました。

仙石線の陸前小野〜石巻間は石巻駅の変電設備が損傷したため、現在は非電化区間となっています。そのため現在はキハ110系の気動車で運行されています。

小牛田運輸区所属の車両が割り当てられています。ちなみにこの車両は陸羽西線仕様のものです。
JR石巻線沢田駅
地震で地盤沈下が起きたため駅一帯は満潮時に線路が冠水状態となりました。
現在は線路や周辺をかさ上げしたようです。

駅舎(待合所)

上り(小牛田方面)

下り(女川方面)
JR石巻線浦宿駅
地震で地盤沈下が起きたため駅一帯は満潮時に線路が冠水状態となりました。
現在はホーム、線路、周辺のかさ上げを実施しました。
訪問時は石巻線の終点。

奥がかさ上げ後の新ホーム、手前がかさ上げ前の旧ホーム。東日本大震災によって地盤沈下が起き、かさ上げを実施したためにこのような段差が発生しました。

この先の女川駅間は運休中で、現在は草が生い茂る廃線跡のような状況になっています。
JR石巻線女川駅
東北地方太平洋沖地震による津波により、土台だけを残して駅舎を流失。駅に停車中の列車や、隣接していた町営温泉の保存車両などが流されるなどの甚大な被害を受けました。

高台から女川駅跡を撮影。
現在はがれき撤去作業が完了して造成工事が進められていました。
中央の平らな部分が路線跡で、重機がある場所に駅舎があったものと思われます。
JR仙石線陸前小野駅
訪問時は仙石線石巻側の終点。
東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波により駅舎が損壊し、駅機能を喪失。その後、当駅の駅舎を建て替え、当駅〜矢本駅間は既存の設備を復旧させ運転再開したが、陸前大塚駅〜当駅間はルートの付け替えを実施するため2015(平成27)年度の復旧予定です。

駅舎。津波で大きな被害を受け、営業再開にあわせて新しく建て替えられました。

時刻表。本数は震災前に比べて少なくなっています。

多くの列車が代行バスの発着駅となっている矢本駅での折り返しとなっているためです。

上り(あおば通方面)

下り(石巻方面)

上り方向。この先は不通区間です。

さらに近寄ると、草が生い茂り、廃線の雰囲気を漂わせています。
JR仙石線野蒜駅
東日本大震災に伴って発生した津波により、構内に甚大な被害を受けました。
陸前大塚駅〜陸前小野駅は、従来の位置より内陸に移設して2015(平成27)年度に営業再開の予定。

駅舎(待合所)
外見はさほど被害を受けたようには見えませんが、1階部分の窓ガラスが壊れ、ベニヤ板によってふさがれていました。

500mほど内陸に線路を移設する計画なので、この駅はもう使われることはありません。

駅前にある店舗。震災の津波により全壊。

駅前に架かる橋。

欄干が曲がっていました。津波は川をさかのぼってきたものと考えられ、津波の威力を見ることが出来ます。

上り(あおば通方面)
架線梁が折れて、ホーム上屋に垂れ下がっています。

下り(石巻方面)
架線梁が途中できれています。

構内。どうやら1階部分まで津波が押し寄せたものと思われます。

線路と架線は撤去されていました。
JR仙石線東名駅
東日本大震災に伴って発生した津波により、構内に甚大な被害を受けました。
陸前大塚駅〜陸前小野駅は、従来の位置より内陸に移設して2015(平成27)年度に営業再開の予定。

駅舎(待合所)
待合所は津波により倒壊し、訪問時には撤去済みでした。

上り(あおば通方面)

下り(石巻方面)

この区間は、内陸部へ線路が移設される計画なので、線路と架線は撤去されています。

架橋柱にある看板が「東名」という名の駅であったことを示しています。
JR仙石線陸前大塚駅
日本大震災による津波のために2013年9月14日現在、高城町駅〜陸前小野駅は運行休止。

駅舎(待合所)
待合所は無事でした。松島湾の地形のためか、津波の直撃は避けられたようですが、堤防を乗り越えて浸水したのは確かなようです。

上り(あおば通方面)
復旧工事が行われていました。

下り(石巻方面)
JR仙石線陸前富山駅
日本大震災による津波のために2013年9月14日現在、高城町駅〜陸前小野駅は運行休止。

駅舎(待合所)

上り(あおば通方面)

下り(石巻方面)

訪問時には、堤防工事が行われていました。この地区も地震による地盤沈下があったのかもしれません。
JR仙石線手樽駅
日本大震災による津波のために2013年9月14日現在、高城町駅〜陸前小野駅は運行休止。

駅舎(待合所)
この駅は、高い場所にあったので、津波の影響はなかったようです。

上り(あおば通方面)

下り(石巻方面)

廃線の風格が漂っていました。

架線は撤去されていました。

復旧工事が進められています。

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