◆オパール(Opal)(和名:蛋白石)◆
10月の誕生石、蠍座、天秤座の守護石


 10月の誕生石で、宝石言葉は、無邪気、安楽。語源は、サンスクリット語「ウパラ」(貴重な石)→ギリシア語「オパリオス」→ラテン語「オパルス」から来ています。
 文豪シェークスピアは、十二夜に「この不思議な石は、宝石の女王である」、「貴方の心はオパールそのもの」と書き、詩人ポードレールの作品の中では、たくさんのオパールが登場し、幻想的で個性的な美しさの象徴として、また恋多き情熱的な女性のシンボルとして、変幻自在の形容詞として登場します。
 オパールは、見る方向によって乳白色、青色、赤色、黄色などが混ざり合い、虹のように複雑に色合いが変化する宝石で、このような色合いを遊色現象、プレー・オブ・カラーといいます。この現象は、オパールの中にある小さなケイ酸の粒によって、光が回折するためにできるものです。
 かつて、オパールはその変幻自在な色調から、持ち主の運命を狂わせるという迷信があり、中世ヨーロッパ時代には敬遠されがちでしたが、ヴィクトリア女王時代の大英帝国絶頂時のオーストラリアでオパールの大鉱脈が発見されたとき、ヴィクトリア女王は、このオパールでブローチを作らせ、愛用したことから、次第にこの迷信は薄れ、一般の間でも人気の高い宝石となっていきました。
 オパールは、硬度6とガラスと同じ硬さで、摩滅しやすいというデリケートな宝石なので、かなり丁寧に扱わなければなりません。また、オパールは、6〜10%の水分を含んだ宝石なので、乾燥した場所におくと、水分を失ってひび割れたりするので、乾燥にも注意しなければならず、保管する際には布などに包んで、乾燥させないようにしなければなりません。

 主な原産国は、オーストラリア、メキシコ、ブラジル、アメリカで、特にオーストラリア産オパールはブラックオパール、メキシコ産オパールはファイアーオパールと呼ばれ、特に価値が高いものとされています。

◎Colum◎
【エリザベス女王が最も大事にしているアクセサリー】
 イギリスのエリザベス女王が最も大切にしているアクセサリーは、オーストラリア政府から贈られたまわりに200個のダイヤモンドがちりばめられた203カラットのオパールのアクセサリーで、公式のパーティーでたくさん使用されています。
化学組成SiO2・nH2O
硬度6
比重1.9〜2.3


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