◆ペリドット(Peridot)(和名:橄欖(かんらん)石)◆
8月誕生石、天秤座の守護石


 8月の誕生石で、宝石言葉は、夫婦愛、幸福。語源は、古代フランス語の「peritot」から来ていますが、詳しい語源については不明です。
 ペリドットは、オリーブグリーンの色合いを持つ宝石で、和名の橄欖(かんらん)石の橄欖は、オリーブのことをさします。また、鉱物学的には、オリヴィンと呼ばれますが、この語源はオリーブから来ています。
 古代エジプト人は、ペリドットをその輝きから「太陽の石」「太陽から飛んできた石」と呼ばれて、ファラオは、日照不足で飢饉となると、このペリドットを通じて太陽神に祈りを捧げました。また、旧約聖書のヨブ記に「エチオピアのトパーズ」として登場します。これはペリドットがエジプトの沖、紅海に浮かぶトバゾス島から産出したことに由来するものです。
 ヨーロッパに伝わったのは、中世の十字軍時代。十字軍からもたらされたペリドットは、そのたぐいまれなる色彩から、中世の多くの人たちを魅了しました。旧ロシア皇帝の王冠や、イギリスの聖エドワード王冠などに使われ、王冠と縁の深い宝石となりました。
 ペリドットは、夜の闇の中でも怪しい緑光を放つことから、別名、イブニングエメラルドと呼ばれます。
 ペリドットは、ゴールドとの相性がよい事が知られ、金で細工された装飾品を身につけることにより、絶大な効果が発揮されるといわれます。
 ペリドットは、その美しさにもかかわらず、産出量が豊富で、他の誕生石に比べ、希少性が最も少ない宝石です。
 主な産出国は、オーストラリア、アメリカ、スリランカ、ミャンマー、ノルウェーなどで、特にアメリカのハワイ産は最高級品とされていますが、近年採掘量が少なくなり、主にアメリカのアリゾナ産のものが中心となっています。

◎Colum◎
【隕石の中にペリドット?】
 アメリカ合衆国ニューメキシコ州のクロリエタマウンテンへ落下した隕石の中に、良質のペリドットが含有していました。このことから、ペリドットは、宇宙から来たものなのかもという説さえ有ります。

化学組成(Mg,Fe)2SiO4
硬度6.5〜7
比重3.34


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