国道340号線(雄鹿戸隧道ほか)

◆2010年12月5日(日)撮影
国道 340 号は岩手県三陸地方の陸前高田市より内陸を北上し、河童伝説で有名な遠野市を抜け全国屈指のローカル線である岩泉線と龍泉洞の岩泉町まで併走したのち一路青森県八戸市まで目指す全長 253.4km に及ぶいわゆる三桁国道である。
特にこの岩手県宮古市と岩手県岩泉町の境にある押角峠付近は、急峻な山間を縫うように道路が敷設されているので、道幅は狭く、急カーブの連続の悪路で有名である。


この雄鹿戸隧道は1935(昭和10)年完成という、岩手県でも1,2を争う歴史があり、総延長580mは当時としては全国有数の長さであった。この雄鹿戸隧道が建設される以前、押角峠を越えるルートは九十九折れの旧道であり、この峠越えの雰囲気はかつてこの地に赴任した教師でもあった女啄木と言われた昭和初期の詩人西塔幸子によって詠まれた詩によってもその片鱗が伝わる。なお、その詩は現在、雄鹿戸隧道南口に歌碑として建立されている。
ちなみに「雄鹿戸」の名称の由来であるが、この隧道の完成に尽力した岩泉町出身の県議会議員佐々木氏が、古文書を紐解いて名付けたと言われる。

北口付近にある碑

北口

内部はコンクリートで固められているが、かつてはレンガ剥き出しだった。

このトンネルは岩泉町と宮古市の境界にあるので、北口を抜けると岩泉町です。

昭和初期の詩人西塔幸子によって詠まれた詩が刻まれた碑。

経年劣化による破損が酷いので碑文を見ることが難しいが、開通記念碑のようです。

南口

南口を抜けると宮古市です。

押角峠。この国道340号線はここを縫うようにして敷設されている。

押角峠。この国道340号線はここを縫うようにして敷設されている。



JR岩泉線浅内駅から茂市方面に進むと現在は旧道になっている川代下隧道(1959(昭和34)年竣工)がある。並行して存在する新道と川代トンネルが1999(平成11)年竣工であるので、それまでは使われていたと思われる。現在は危険防止のために埋められている。なお素堀である。

http://www.mapion.co.jp/m/39.8145936111111_141.7200875_9/

松野隧道(竣工年不明)。こちらも素堀りですが、現在はコンクリートで塗り固められているものの、埋められたりしていないで通行は出来ます。かつては国道340号線として使用され、並行して存在する新道と松野トンネルは1983(昭和58)年竣工であるので、約30年前までは使用されていたと思われます。にしても高さ2.5m制限じゃ、大型トラックは通れません。
http://www.mapion.co.jp/m/39.8321691666667_141.712434444444_8/

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