JR奥羽本線4駅連続スイッチバックの遺構
赤岩駅
(Akaiwa)

◆2013年9月21日(土)撮影
開業:1910(明治43)年10月13日

所在地:福島県福島市大笹生字赤岩32

キロ程:14.6km(福島起点)

※参考、引用サイト:Wikipedia
 今回、全国有数の秘境駅と言われる赤岩駅に行ってきました。この赤岩、板谷、峠、大沢駅は、山形新幹線の開業前は4駅連続スイッチバックで有名でしたが、新幹線と在来線直通運転のための改軌工事が施され、4駅ともスイッチバックが廃止されました。
 赤岩駅の特徴としては、
  • 接近できる唯一の道路が狭くて自動車での移動が容易ではない。またこの道路では隣の板谷駅までたどり着くことが出来ない。
  • 止まる電車本数が極端に少ない(上下それぞれ6本)。
  • 周辺に民家がない。
  • しかも、冬期はすべて通過する (冬季の利用実績がないことが理由ですが、なんでも誤って降りた客が凍死する危険を防ぐ意味もあるのだとか)。

と秘境駅としての条件は十分にクリア(笑)です。

1975(昭和50)年当時のスイッチバック設備が健在だった頃の赤岩駅周辺の空中写真。
拡大写真は、こちら(新しいウィンドウで開きます)(国土変遷アーカイブス)を参照。

右上の空中写真に加筆。
現在は廃集落となったイラ窪(赤岩駅から松川を渡って南)や大平集落(写真右上)が見えます。

赤岩駅へ接近するただ一つのこの舗装林道は、しばらくは田園地帯を2車線の幅で容易に走行できますが、この神社付近で道幅が急に狭くなり、一般の乗用車ですらすれ違いが出来なくなります。

山深く細い道をひたすら走ると、はるか遠くに福島市の市街地が見えます。「一応」ここは「福島市」です。

山肌を縫うように道路が続きます。

大平集落に到着。駅付近の唯一の集落ですが、あちこち廃屋が点在する中、何世帯かは人が住んでいるようで、いわゆる限界集落と化していました。ちなみに、「駅付近」と言っても駅までは後述する未舗装道路を下らなければなりません。

ここで舗装道路が終了。この先からは砂利敷きの道路となります。

事前の調査で駅までは200mの比高とつづら折りとガードレール無しの連続と悪路が予想されたのでこの広場で自動車を駐車して歩いて駅に向かいました。

「この先注意」の看板。

つづら折りが連続します。

ガードレールがないので、自動車で一歩踏み外すと崖を真っ逆さまです。
何度か訪れた人だと大丈夫だと思いますが、初めてでこういった道になれていない方には自動車での接近はお勧めできません。

奥羽本線の線路が見えてきました。駅はすぐそこです。

左を見ると、加速線用のトンネルが見えました。

周りには人が住んでいる気配は全く見られません。

現在は駅への接近路となっていますが、スイッチバック時代の加速線跡で、右にホームが見えます。草に隠れていますが、左にもホームがありますが、現在は一部が取り崩され、新幹線用の変電施設が建てられています。

スイッチバック時代のホーム。

かつてここに駅名標の看板が取り付けられたと思われます。

ホーム上にある駅施設で、現在は使われている痕跡はありませんでした。

完全に草むらに埋もれてしまっているホーム屋根。

左側のホームが青森方面行き、右側のホームが福島方面行き。

ホーム下には「福島方面」とのペイントがわずかに読み取れます。

現在の赤岩駅の待合所

こういった秘境駅に必ずと言っていいほどある足跡ノートが置かれていました。

駅名標(1)

駅名標(2)旧国鉄様式

上り(福島方面)

下り(青森方面)

赤岩駅の特徴を一言で言えば「シュール」と「ミスマッチ」です。
昭和の秘境駅に最新鋭の新幹線が減速しているとはいえ猛スピードで通過する姿はまさにシュールかつミスマッチそのものです(笑)。しかも1時間に2,3本も頻繁に行き来します。

待合室の時刻表を見ると、1日に上下それぞれ6本しか電車が止まらないこの駅に、新幹線は1時間に2,3本と頻繁に行き来しています。

この付近の傾斜は38パーミルで、蒸気機関車では20パーミルが限界と言われた時代にはこのままでは登ることが困難でした。そのため、スイッチバックが設置されたのです。

写真中央のトンネルに接近してみます。トンネルまでかつて敷設されていた線路は蒸気機関車に加速をつけるための加速線で、平坦な土地が確保できない山あいだったため、トンネルを掘って確保しました。

トンネル内部は線路もそのままで状態も良いです。

現在は立入禁止の柵が設置されているので、トンネル内に立ち入ることは出来ません。

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