オハフ61形2752号客車
福島県喜多方市「日中線記念館」に静態保存

◆2011年4月23日(土)撮影
オハフ61 2752客車(国鉄60系客車)
 戦後間もない1947(昭和22)年2月25日に発生し、日本の鉄道事故史上における死者数第2位の大事故である八高線列車脱線転覆事故で、転覆した事故列車が構造脆弱な木造客車で編成されていたために死者数を増大させたと考えられ、客車の鋼製化が急務となった。しかし、新規製造の客車を鋼製客車に切り替えたのは20年前の1927(昭和2)年であったものの、いまだ国鉄保有客車数の6割が木造客車であり、この当時は戦後の混乱期でインフレーションが進行している状況で、短期間で鋼製客車を大量に製造して配備することは不可能であった。そこで、木造客車の台枠や台車、連結器などを再利用して、車体のみを鋼製とする改造を行うこととした。これらの鋼体化客車は他の制式鋼製客車などとの区別のために60番台の形式を付されており、このことから後年になって便宜上、60系客車と呼ばれるようになった。

 1949年から1956年までの間に、全国の国鉄工場及び主要な民間車両メーカーのほとんどを総動員して製作がおこなわれ、そのほとんどが三等車もしくは荷物車・合造車として使用された。

 このオハフ61形2752号車は、1955(昭和30)年に国鉄長野工場で木造客車のナハフ14012を鋼体化改造で定員88名の三等緩急車オハフ61 752となり、秋田運転区に配置された。その後、客車の暖房を電気暖房化することになり、電暖化改造を受けて、オハフ61 2752となった。晩年は福島貨客車区に配属され、日中線でも走っていたと思われる。日中線廃止の2ヶ月後の1984(昭和59)年6月7日に廃車となり、現在地で保存されることとなった。

現在ではこういった客車に乗る機会はほぼなくなったんですが、昔祖母のところに遊びに行くときに乗った東北本線の列車がこれと同じ雰囲気で、懐かしさを感じました。

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